3回にわたり書いてきました「補腎という考え」ですが、いよいよ最終回。
はたして上手くまとめることが出来るかどうか・・・。
まずは少しおさらいをしましょう。
思い出していただきたいのは、漢方でいう「腎」とは腎臓という臓器だけを指すのではないということです。
「腎」とは「精を蔵(ぞう)す」
生きて行く上での生命エネルギーを維持する働き、蓄える働きがあるのだということを押さえておいて下さい。
では生命エネルギーを創るところはどこでしょう?
それは胃腸です。
「人間食べられなくなったら終わり!」と言いますが、まんざらウソではありません。
食べる気力があるからこそエネルギーを生み出します。
ただ現代人は食べる気力があっても、食べている物が悪い(-_-;)
どうしても安易に食べやすい物、コンビニの食材やファーストフード、揚げ物、甘い物に偏りがちです。
気力はあっても食べている物が悪く、また食べ方も悪く胃腸に負担をかけ、その結果体調を崩すという方が多いのです。
野菜(特に寒い季節は根野菜を中心に)をしっかり食べ、一回食べ物を口に運んだら30回噛むようにして楽しく食事しましょう。
こうして食べた物が小腸で吸収され肝臓に入り、新しい血液が創られていくのですが、食べている物の質が悪いと、新しく創られる血液の質も悪くなります。
約60兆あるといわれている細胞に酸素と栄養を運搬する能力が低下していきます。
特に「腎」は「精を蔵す」ところ。
「精」とは「ホルモン」と置き換えていただいても間違いではありません。
つまり正しく必要な「精」「ホルモン」を創っていく力も低下してしまうのです。
口に入れる物、食べ方はいつも気をつけましょうね。
さあ、ここからです!
先回号にも書きましたが「腎」の働きを低下させない、「補腎」するという意味においては歩く事が大切です。
ただ寒い季節、外に出て歩くのはちょっとつらいとおっしゃる方、
「踏み台運動」をしましょう!
家庭の中で階段であるとか、段差のある所を見つけて下さい。
1段上って1段降りる。
右足、左足どちらからでも良いのですが、1段上ったら足をそろえて、背筋を伸ばし胸を張りましょう。
その後上った足から降りて下さい。
声を出すと良いです。
「イチ、ニー、サン、シー。1、2、3、4、」「ワン、トゥー、スリー、フォー。1、2、3、4、」・・・
20回繰り返します。
その後ゆっくりアキレス腱を伸ばします。
息をゆっくり細くフゥ~と吐く。なるべく遠くに息をふぅ~っと・・・。
吐きながら腰を落としてアキレス腱を伸ばします。
毎日2回、この運動を繰り返してみて下さい。
爪もみをプラスしていただくと、もう最高です!
こうした運動を毎日繰り返し継続していただくと、間違いなく体内の気の巡りが良くなります。
「精」「ホルモン」を蔵す・蓄える働きが増していることを実感していただけるはずです。
特に「眠り」が改善されるケースが多い事に驚かれます。
「腎」の働きが整ってくると「眠り」が深くなるのですが、踏み台運動を続けていただいた方は、「朝までぐっすり寝る事が出来るようになった」「夜中にトイレで起きる事が無くなった」と、おっしゃって下さいます。
どなたでも簡単に出来る運動ですから、ぜひチャレンジして下さい。
少しだけ漢方薬の事も書きますと、「補腎」をしてくれる漢方薬「補腎剤」というものがあるのですが、漢方薬もお薬です。
今、このブログを読んでいただいてる皆さまも、お一人お一人体質が違います。
もちろん似てられる方もおられますが、すべての方にオールマイティという「補腎剤」はありません。
やはりきちんとお話しを伺って、一番適切な「補腎剤」を選んだ方が良いですし、また「補腎剤」が必要無い方もおられるのです。
Part1にも書きましたが、眠りが浅い、目がかすむ、体がほてる、口が渇く、肌が乾燥する、足腰が弱くなった、つまずきやすい、精力が衰えた、ストレスに弱くなった、やる気が起こらない、すぐ諦めてしまう、食べる量は変わらないのに肥ってきた・・・などなど、「補腎」を必要とする随伴症状(ここにあげましたのはほんの一部です。まだまだ色々あるんです)が出てきた、ちょっと気になるという方は、ご相談下さいね。
一番ピッタリの「補腎剤」を用意いたしますから。
そこはテジョンにおまかせあれ!
元気に冬を過ごしましょ~う!